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 今年の確定申告は、自民党の派閥パーティー裏金事件により大荒れでした。国会議員が脱税していることに対するクレームの嵐が起きたからです。国税庁においては、今年1月25日にホームページ上で、政治資金に係る「雑所得」の計算等の概要を公表しています。それによると以下の通りの記載があります。

 政党から受けた政治活動費や、個人、後援団体などの政治団体から受けた政治活動のための物品等による寄附などは「雑所得」の収入金額になりますので、所得金額の計算をする必要があります。

 自民党派閥の政治資金パーティーにおいては、当選回数や閣僚経験に応じて所属議員に販売ノルマを設け、そのノルマ以上の券を売ると議員個人にキックバックするのですが、その際に議員が政治団体の収支報告書に記載せず、議員側が資金の還流分を裏金化していました。この裏金分は、雑所得の収入金額となりますので、当然税金が発生します。そもそも裏金とした時点で、表に出す気のないお金となります。つまり議員の懐に入っても一切わからないお金ということです。

 野党は「何千万円もの裏金を受け取っておきながら、なぜ犯罪にならないのか。脱税を問えないのか」と国会で追及。鈴木俊一財務大臣は「国民がそうした怒りを持っていることは大きな問題。納税されている方に不公平な思いを持たれないよう丁寧な対応をする必要がある」と述べています。

 しかし実態は、収支報告書で詳細は「不明」と訂正し、説明を逃れる書類が多くみられます。裏金が口座に入れば他の金と峻別できず、私的に流用しても隠し通されてしまいます。使途不明で非課税といわれて納得する国民が本当にいると思っているのでしょうか?

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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