第1172話 借地権
借地や借家の賃借関係においては、かつては大家が圧倒的に優位でした。しかし1992年に施行された借地借家法では、借り手に強い権利を認め、大家の一方的な退去勧告に従わざるを得ないといった事態は起こらなくなってきています。大家の側からすれば、転居してもらうためには、一般的に借り手との交渉が不可欠で、それなりの補償金が必要となる場合も出てきます。
現在の借地権は強い権限を有し、契約期日の到来に際しては契約の更新を地主に請求することができ、また契約を更新しない場合には建物の買取を地主に請求することもできます。また、借家人の持つ権利は、相続後も引き継がれます。相続にあたって「契約したのは被相続人だから死去により契約は解除する」などと一方的に借主に通知してくるケースも現実にはありますが、こうした要求には法的に応じる必要はありません。土地の賃借についても同様で、借り手は「相続で賃借権を取得しました」と通知するだけで手続きは終了し、権利の継承について大家の許可は一切必要ありません。
なお相続税申告にあたっての借地権の評価は、その土地の更地での金額に借地権割合を掛けて計算します。
これらの借地権とは異なり、契約期間の満了をもって更新せずに借地権が消滅する「定期借地権」もあります。こちらの相続財産としての評価については、地権者の経済的利益、宅地の取引価額、相続発生時の定期借地権の残存年数に応じた複利年金現価率などを使い計算する必要があり、かなりややこしくなります。特徴としては、期間の定めのない借地権に比べてかなり低い評価額となることが挙げられます。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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