第1203話 政党助成金
「政治とカネ」をめぐる国民の不信感がなかなか払拭されません。その中心は企業・団体からの政治献金をどう扱うかです。巨額の献金と引き換えに、特定の業界や団体のための政策を遂行しているのではないか? そんな懸念を背景として、「企業・団体献金の禁止」は30年以上も前から繰り返し国会で議論されてきました。しかし、企業献金に大きく依存してきた自民党の反対などによって、禁止は実現に至っていません。
この問題の解決を巡り、「政界の浄化」を掲げた細川護熙内閣が、企業・団体献金を廃止するにあたっての代替財源として1994年に導入されたのが政党助成金です。
年間300億円超が交付されますが、知っての通り企業・団体献金はその後も廃止されず、現在も「右手に税金、左手に献金」という二重取りが続いています。
交付された助成金は、各政党本部から支部へ流され、さらに政治家個人の政治資金団体や後援会というブラックボックスに入ります。
政党助成法では、「交付にあたっては、条件を付し、またはその使途について制限してはならない」と規定され、借金の返済と貸付以外は、使途は基本的に自由です。
さらに政党を除く政治団体は、「人格なき社団等」として収益事業に該当せず、「寄附金」の収受に法人税は課税されません。また寄付金に対しては贈与税や相続税が課税されることもありません。
例えば、親の政治団体から子の政治団体へ「寄付」として資産を移せば、子の政治団体には法人税も贈与税も相続税も課税されないことになります。政治資金規正法による「量的制限」で年間5千万円までとされていますが、これはあくまで「政治団体1つ当たり」の話です。私的な政治団体については数的な制限など存在しないため、親議員の持つ政治団体の数が多ければ多いほど、年間に寄付できる金額は多くなる計算です。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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