第309話 「はれのひ」騒動から学ぶこと (1)
振り袖の販売やレンタルを手掛ける業者「はれのひ」が成人の日を前に突然営業を取りやめ、成人の日に晴れ着を着られない新成人が相次いだ問題で、横浜地裁は先月26日、「はれのひ」の破産手続きの開始を決定したと破産管財人の弁護士が同日、明らかにしました。現時点での負債額約6億3500万円は、最終的に10億円を超える見通し。客が購入したり、着付けのために同社に預けたりした振り袖は約1200着保管しており順次返還する方針といいますが…。
破産手続き開始の決定を受け、「はれのひ」の篠崎洋一郎社長は同日、横浜市内で記者会見し、一連の騒動に謝罪しました。
この騒動につき、神奈川県警は詐欺などの立件を視野に入れ、「はれのひ」の財務内容や粉飾決算の疑いについて詳しい捜査がされるようです。
なぜ、逃げ惑っていた社長が、急遽記者会見を開いたのか…。
これは、詐欺罪で逮捕されることを逃れるために「騙す意思がなかった」ことを表明したかったのでしょう。
詐欺罪というのは詐欺の意思がなければ成立しません。
例えば、「飲食店で食事をしてお金を払わずに逃げた」という場合、「最初からお金を払わずに逃げる意思があった」ということが立証されなければ詐欺罪として有罪にすることはできません。
食事のあとにお金がないことに気付いて、怖くなって逃げた場合は詐欺の意思がないため詐欺罪にはならないのです。
弁護士との協議のうえ、詐欺罪を成立させないためにこのような記者会見を開いたものと思われます。
次に、なぜ被害者の債務弁済前に破産手続きをしたか、無責任社長の本音を暴露したいと思います。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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