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 国の発行する国債残高が2019年度末に897兆円に達する見通しになりました。毎年の予算編成で必要な費用を税収だけで賄えず、新規国債の発行で補う借金頼みの財政運営が常態化しています。財務省は危機感をあらわにしますが、夏に参院選を控え首相官邸は大盤振る舞いを意に介さず、財政規律のタガが外れたままになっています。

 政府が閣議決定した19年度予算案は一般会計の総額が101.5兆円と当初予算として初めて100兆円の大台を突破。社会保障費や防衛費の増加に加え、今年10月に予定する消費税増税後の景気落ち込みに備え2兆円の経済対策を盛り込んだのが要因。

 これに対して歳入の柱である税収は62.5兆円。政府保有株の売却などで集めた税外収入(6.3兆円)と合わせても足りず、新たに32.7兆円の国債を発行せざるを得ませんでした。歳入全体に占める新規国債の割合は32.2%と3割を超えています。

 財政が悪化しますと普通は国債金利が上昇しますが、日銀の大規模金融緩和の効果により長期金利は過去最低の0.1%近辺に張り付いたまま。このため、借金の残高が増えても利払い費がさほど増えず、バラマキに走りがちな政治家に財政危機のシグナルを発する役目を果たさなくなっています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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