第1175話 愛人の子供の相続権
愛人には、原則として相続権は発生しません。「愛人」については、法律上の定義はないものの、「相手が結婚していることを認識した上で交際しているもの」と解釈されています。愛人は、単に籍を入れていない事実上の夫婦である「内縁」とは異なり、法律上の保護に値しない〝不貞〟な存在とされています。
ただ愛人であっても、遺言さえあれば遺産を相続することは可能です。もちろん「愛人に全財産を譲る」といった遺言でも本妻や実子などの法定相続人には、「遺留分」の権利が認められていますので、その請求がなされた時には、愛人が全財産を受け継ぐことはできません。
愛人関係の相続で問題となるのが、被相続人との間に生まれた子供、いわゆる「非嫡出子」がいるときです。非嫡出子に相続権があるかどうかは、その子を父親が認知しているかどうかで決まります。認知していれば法定相続人として認められ、相続権が発生し、遺産分割協議も非嫡出子の合意がなければ話し合いを進めることができなくなります。
逆に認知されていなければ、「実の子」であっても法定相続人とは認められません。非嫡出子の存在が判明した時は、その子の戸籍で確認します。戸籍上の「父」の欄に被相続人の名前がなければ、認知されていないことになります。
ただ認知されていない子は、DNA鑑定などにより強制的に認知させる「死後認知」をもとめることができるため、家族が相続トラブルに巻き込まれることは間違いありません。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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