第325話 知らないと損をする確定拠出年金(イデコ)のメリット・デメリット(4)
個人型確定拠出年金のデメリット・注意点
ただし、個人型確定拠出年金は万能な商品ではありません。下記のようなデメリットや問題点を抱えていますので、加入前に一度しっかり検討するようにしましょう。
1.中途解約ができないというリスクがある
2.毎月定額の手数料がかかる
3.個人型確定拠出年金を受け取るときには税金がかかる場合がある
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1. 60歳までは解約(引き出し)できないという中途解約リスクがある
個人型確定拠出年金はあくまでも「老後のための資産運用」となります。そのために所得控除などの大きな税制優遇が設定されています。そのため、月々の掛金を減額することはできますが、今までに拠出してきた年金を60歳以前に受け取ること(解約すること)はできません。掛け金を減らしたとしても、60歳までは待つ必要があります。そのため、近々で必要になるような資金を個人型確定拠出年金で運用するのは間違いだといえます。こうした資金については、「NISA(小額投資非課税制度)」での運用がおすすめです。
2. 利用には毎月定額の手数料がかかる
個人型確定拠出年金を利用する場合には一定の手数料が発生します。
なお、イデコの利用にかかる手数料は以下の3種類があります。
(1)国民年金基金連合会手数料(共通):103円
(2) 事務委託金融機関手数料(共通):64円
(3) 運営管理機関手数料(金融機関で異なる):無料~450円程度
(1)(2)は共通なので減らしようがないのですが、最後の(3)の運営管理機関手数料は証券会社、銀行によって無料~450円と差があります。30年加入だと162000円もの大きな差になるわけですから、金融機関選びは重要ですね。
ただ、運用を積み上げていけば手数料率は徐々に小さくなること。それと所得控除による節税メリットを考えると、この程度の金額は微々たるものなので、手数料がかかること自体はさほど気にする必要はないと思います。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
「所長の独り言」一覧はこちら
免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。