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第32作『口笛をふく寅次郎』では、博の相続問題が出てきます。

博の父親、飈一郎は大学の教授でしたが、岡山に大きな家を持っています。そして遺言を残さずに死んでしまいます。

博は4人兄弟の末っ子です。上に男が二人、女が一人います。

父親の三周忌に兄妹が揃いますが、二人の兄が相続のことで喧嘩をします。長男は「自分が家をもらいたい」といいますが、次兄は「それならば、その分を自分たちから買い取れ」というのです。よくある相続争いです。

相続というのは、残念なことに遺族の争いの種になりやすいものです。

税務署には、時々密告情報が寄せられますが、その中で最も多いのが相続税に関するものです。

遺産相続でもめて、納得のいかない遺族が、「あの家では誰かが遺産を隠しているようだ」と税務署に告発することで、税務署を使って遺産を調べさせようというわけです。

最期には裁判にまで行きつくわけですが、裁判所が発表している司法統計のデータを見たところ、面白い事実が浮かび上がりました。 平成28年のデータですが、遺産分割事件のうち認容・調停成立件数では、遺産価額ごとの遺産分割事件の数を集計しています。遺産分割事件の総数7485件のうち、遺産(相続財産)の価額が5,000万円以下の件数は、5,683件でした。 割合にすると約75%です。つまり、ケンカ=遺産分割事件のほとんどは、(失礼な言い方ですが)「金持ち以外の人」が起こしているといっても過言ではないでしょう。まさに金持ち喧嘩せずということでしょうか。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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