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京都に来ていた寅さんは、鴨川のほとりである老人と出会います。

老人が下駄の鼻緒を切らしてしまったところに寅さんが通りかかり、「チビた下駄はいてるなぁ、おい、買ってもらえないのか、息子の嫁に」などと悪態をつきながら、見事な手さばきで鼻緒をつけてやるのです。それをきっかけに寅さんは、老人にしばらく厄介になります。

この老人、実は加納作次郎という陶芸家で、人間国宝という設定。

寅さんはそうとは知らず、大きな家を見て「焼き物だけじゃこんな家建たないよな。じいちゃん、何やって儲けた?」などとさんざん失礼な発言を繰り返します。それが孤独な人間国宝にはうれしかったらしく、寅さんをすっかり賓客として遇します。

そして寅さんが帰るとき、自分のお気に入りの作品を寅さんに持たせるのです。作次郎の弟子がびっくりしながら、「あれは神戸の美術館が買いたいって言っていたのに」と抗議しますが、作次郎は「いいがな、焼き物はどうせ割れるもんや」といってやりすごします。

美術館が買いたいと言っていたということは、値段は相当なものです。数百万円はするでしょう。そんな高価なものを、ちょっとしたお土産をもらった感覚で、寅さんは無造作にトランクにしまってしまいます。

実はこの時に贈与税が発生します。贈与税というと、お金や土地などの不動産をもらった場合にかかる印象を持ちますが、現在の税法では110万円以上の価値ある物をもらった際にもかかることになります。

ただこのような贈与税は、支払っていない人が非常に多くみられます。年間110万円以上のプレゼントをもらっているホステスさんが贈与税の申告をしたなどという話は聞いたことがありません。

寅さんは、この他にも第17作『寅次郎夕焼け小焼け』では、日本画家の大家池ノ内青観から絵を描いてもらったり、第31話『旅と女と寅次郎』では、京はるみという人気歌手からサファイアの指輪をもらったりしています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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