第789話 老人ホーム入居者の自宅売却
マイホームを売った人は、譲渡所得から最高3千万円までを控除できる特例を適用できます。この特例の適用要件は、自分が住んでいる家屋を売るか、または家屋と共にその敷地や借地権を売ることです。ただし、売却時に住んでいた家屋でなくても、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売れば適用可能です。
終身利用の老人ホームに入居した人が所有している自宅は、「自分が住んでいる家屋」には該当しませんので、施設に入居してから3年を経過する年の12月31日までに売却した時に限り、適用が認められます。また老人ホームに入居したとしても、終身利用のためではなく、身体や精神上の理由で介護を受ける目的のもので、いつでも戻れるように自宅を維持管理しているのなら、特例を適用することが可能となります。
ただし、この特例を受けることだけを目的として入居した家屋には適用できません。また、住居を新築する期間だけ仮住まいとして使った家屋など一時的な目的で入居した家屋や、別荘などの主として趣味・娯楽・保養のために所有する家屋も対象外となります。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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