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 自分の死後についての希望を気軽に記すことができる終活(エンディング)ノートはかなり市民権を得てきたようです。基本的に書式は自由で市販のものでは質問項目に回答していくだけで完成するものも人気です。

 遺言書に書く内容は死後のことに限られていますが、エンディングノートには生前のことも自由に書ける点も利点です。例えば死ぬ前の介護の希望や尊厳死に関することは遺言には書けません。正式な遺言書とは違い法的な強制力は生じませんが、本人の意思を残す意義は大きいでしょう。

 遺言書との共通する注意点は、必ず見つけてもらえるようにすることです。家族と一緒に作成したうえで保管するのが最も良いのでしょうが、生前に知られたくないのであれば、エンディングノートの存在とその保管場所をしっかり伝えておかなければなりません。

 エンディングノートは「財産編」と「葬儀・医療編」を分けて作成する方法もあります。そのうえで前者は金庫に入れるか税理士や弁護士に預けるなどしっかりと保管し、後者はすぐに発見される場所に置いておきます。特に医療に関する希望については重要です。手術や延命治療の有無など、最後の「生き方」に関することだけに、自分が意識を失ったり体の自由が利かなくなったりしたときに、簡単に発見されるようでなくては意味がありません。

 可能であれば、遺言とエンディングノートの両方を用意しておくべきでしょう。遺言については「そのうち」と先延ばしにしている人がほとんどですが、いざ何かあってからでは作成することは出来ません。しっかり判断でき、そして自分の力で書くことができるうちに作っておく必要があります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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