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 石油情報センターの公式サイトによりますと、レギュラーガソリンの全国の平均価格は、3月14日時点で、175.2円。2021年12月20日の165.1円から10週連続で値上がりしています。軽油も3月14日時点で154.9円となり、10週連続で値上がりしています。

ガソリン価格が高騰してきた理由は、いくつか挙げられます。

  • コロナ禍で鈍っていた世界需要が回復基調にある
  • OPEC(石油輸出国機構)とロシアで構成されるOPECプラスは2022年末までの原油の減産延長で合意した
  • 円安傾向にある

 こうした状況に加え、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日、ニューヨーク商業取引所の米国産WTI原油の先物価格は約7年7カ月ぶりに一時1バレル=100ドル超まで上昇しました。ロシアは、米国とサウジアラビアに次ぐ世界3位の産油国です。欧米各国の制裁を受けて今後の対応が注視されています。

ガソリン価格が高騰し事業者や家計の負担が増している中で、ガソリン税の一部を課税停止する「トリガー条項」の発動を求める声が野党などから上がっています。一方で、実際に発動する為にはまず法改正が必要で、現段階では実現は難しい状況です。

 ガソリンには国税の「揮発油税」、地方税の「地方揮発油税」がかけられており、これを合わせて「ガソリン税」と呼ばれています。ガソリン税の税額は1リットルあたり53.8円で、このうちの約半分の25.1円分は「旧暫定税率」として本来の税額に上乗せされ続けています。軽油にかかる「軽油引取税」(1リットルあたり32.1円)にも同様に上乗せ分(17.1円)があります。さらにガソリン自体の価格にガソリン税などを足したものに消費税が課されています。

 トリガー条項はこの上乗せ分(旧暫定税率)の課税を停止することで小売価格を引き下げる制度です。発動条件は、総務省が毎月発表しているガソリンの全国平均価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を上回った場合で、3カ月連続して1リットルあたり130円を下回れば元の税額にもどすというもの。

 トリガー条項は民主党政権下の2010年に策定されました。しかし翌年の3月に発生した東日本大震災の復興財源確保などのためとして凍結された経緯があります。凍結解除するためには法改正をする必要があります。

 「第三極」として連携を強める国民民主党と日本維新の会は、トリガー条項凍結解除のための法案を去年の臨時国会に共同提出しましたが、本案は与党の反対により否決されています。

 政府・与党は「ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱、国・地方の財政への多大な影響などの問題がある」として解除に否定的な立場を示していました。

 しかし、最近になり原油価格の高騰対策としてガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除を巡って自民、公明、国民の3党の幹事長が会談し、各党の実務者で速やかに協議を始めることで合意するに至りました。今後の動向が気になるところです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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