第1132話 遺産分割と相続税

相続税は個人の死亡をきっかけに、相続、遺贈、死因贈与、相続時精算課税の適用を受けた贈与などによって財産をもらった人に課されます。
遺産を得た人に相続税だけを課すのであれば、生前に親族等に財産を贈与することにより、相続税を逃れようとしますので、この相続税回避を防ぐために贈与税が設けられています。
相続が始まった場合、相続人が2人以上いて相続財産を放棄する人がいなければ、遺産はとりあえず共同相続人の共有となります。共同相続人とは、遺産相続が起こったときに、共同で相続人になっている人のことを言います。
共有は、遺産の全体について、各相続人が、相続分の割合に応じて、持分を持つことを意味します。この共有財産を、各人別に分けることを遺産の分割といいます。相続財産である土地・建物については、登記が義務化され、正当な理由がなく不動産の取得を知ってから3年以内に、登記申請をしないと10万円以下の過料が科されることになっています。
遺産分けは遺言があればこれに従います(民法908条)。遺言がなければ、遺産の分割は相続人の話し合いによって決めます。これを遺産分割協議といいます。
遺産分けが決まったら「遺産分割協議書」を作成し、これを基に財産名義を変更します。この協議が整わない場合は、家庭裁判所にて遺産分割調停を行います。ここでは調停委員を加えて、遺産分割についての話し合いをします。この調停もうまくいかなかったら、遺産分割審判になります。ここでは、裁判官が一切の事情を考慮し、遺産分割の方法を決定します。
遺産分割審判では、当事者が自分の主張とそれに関する立証を展開して、その内容を考慮しながら審判官が審判を出します。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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