所長の独り言
第729話 特別受益証明書
相続では、全ての相続人が集まって残された財産について話し合い、全員が納得のいく形で公平に分割されるのが理想ですが、被相続人と相続人の関係は家庭によりさまざまで、被相続人が戦前にあった家督のように長男にあらゆるものを引き継…
続きを読む第728話 文化財建造物の評価
相続した不動産は、固定資産税や路線価、そして時価なども含めて財産評価し、そこから相続税を算出します。当然、地価の高い土地や高級物件なら評価額は上がり、必然的に相続税額も高額になります。 この時に地価や構造だけで単純に計算…
続きを読む第727話 国税局査察部(マルサ) その2
国税局査察部通称マルサ。闇に潜んでいる資金に目を光らせ、時に経済社会の網の目をすり抜けようとする金を引きずり上げるため、「資金警察」とも呼ばれています。また、調査の取材に一切応じないため、マスコミ関係者から「沈黙の艦隊」…
続きを読む第726話 物納
皆さま、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。去年は、コロナ禍による感染拡大に関するニュースが新聞紙面のほとんどを埋め尽くしました。失業や所得減の影響は、非正規雇用や低所得層に集中することになり、コ…
続きを読む第725話 逆縁の相続
今年になり若い有名人の死が相次いでいます。逆縁(親が子を弔うこと)の不幸はTV画面の向こうの世界の出来事ではなく、誰の身にも降りかかるものです。子が親より先立つことは一般人の間でも珍しいことではありません。 現役世代…
続きを読む第724話 生前贈与の持ち戻し
相続税には、生前贈与の「持ち戻しルール」というものがあります。相続発生までの3年間に行われた生前贈与については、贈与ではなく相続によって得た財産として扱い、贈与税ではなく相続税を課します。このルールにより、死期を悟っ…
続きを読む第723話 私道
相続財産の中で土地の占める割合は年々減少傾向にあるものの、それでも全ての財産の4割近くを占め、現預金や有価証券を抑えてトップであることに変わりありません。ただ土地は評価が特に難しいので、納税者と国税当局で判断が分かれ…
続きを読む第722話 被相続人の年金未受給分
老齢基礎年金などの公的年金は年に6回、偶数月の15日に支払月の前月までの分が支給されることになっています。そのため、年金受給権者が死亡すると本人が受け取れない年金分が発生することになり、代わりに遺族が受け取ることにな…
続きを読む第721話 入院給付金
入院を理由に保険契約上の「受取人」が受け取る入院給付金は、たとえ被保険者の死後に相続人が受け取るものでも、相続税は課税されません。相続税の課税対象となる保険金は、被相続人の死亡を保険事故として支払われる保険金です。被…
続きを読む第720話 遺産分割協議がまとまらない場合
遺産分割協議が相続税の申告期限に間に合わない人は、法定相続通りの割合で遺産を取得したものとみなして申告して、その後に遺産分割協議書が成立した時に修正申告等の調整を行います。 相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知っ…
続きを読む第719話 リフォームしたばかりの自宅を相続した場合
リフォームしたばかりの自宅の相続税の計算上の財産評価方法は、本来はリフォームによる価値の上昇分を個別に算出して評価することになっていますが、上昇分の正確な把握は困難なので、リフォームした自宅を評価するために定められた…
続きを読む第718話 相次相続控除
父親の死後数年経たないうちに母親も死ぬと、父から母への相続で税金をかけられた財産に対して、子への相続で再び相続税がかかることになると同じ財産に短い期間で2回相続税が課されてしまうことになってしまうので、1度目の相続か…
続きを読む第717話 介護貢献
昨年施行された改正民法では、これまでの相続のかたちを大きく変える見直しが多数盛り込まれました。そのうちの一つが、介護などで貢献した親族が金銭を要求できる権利の創設です。法定相続人でなくとも、生前に介護などで特段の貢献を…
続きを読む第716話 法定相続情報証明書
相続に関して残された家族が行わなければいけない手続は山ほどあります。相続税申告、不動産所有権変更、銀行口座解約などなど。以前はその手続きのそれぞれに大量の戸籍書類一式をそろえて、相続対象となる不動産を管轄する各自治体の…
続きを読む第715話 コロナ禍で見直される遺言の重要性(2)
新型コロナによって、今年春以降、特に富裕層にとって遺言書を書き残す理由が一つあります。それが4月1日にスタートした「配偶者居住権」制度です。 これまでの法律では、遺産分割協議で配偶者が自宅を得るとそれだけで法定相続分を…
続きを読む第714話 コロナ禍で見直される遺言の重要性(1)
今年に入り、遺言と相続に関わる大きな制度の見直しが2つありました。 1つは4月にスタートした「配偶者居住権」制度で、子と折り合いが悪い配偶者の救済だけでなく、円満相続においても税負担を大きく減らせる可能性があることで注…
続きを読む第713話 家屋の固定資産税評価額
家屋の評価は築年数と共に下がっていくのに我が家の固定資産税評価額は前回の評価替えでも据え置きだった。もしかして近年多発している固定資産税の課税ミスでは…。そう考えてもすぐ結論を出すのはちょっと待ってください。 不動産…
続きを読む第712話 2年目以降の相続時精算課税
贈与税の課税制度には、年間110万円までが非課税となる「暦年課税」に加えて、トータル2500万円までの贈与税を非課税とする「相続時精算課税」があります。 「相続時精算課税」は、親や祖父母から贈与を受けた財産について、贈与…
続きを読む第711話 ゴルフ場利用税の課税根拠
日本には様々な税目がありますが、世界的にみて珍しい税の代表格として「ゴルフ場利用税」が挙げられます。都道府県税で税収の7割は、ゴルフ場が存在する市町村に交付されます。ゴルフ場の経営者がゴルフ場の利用者から都道府県に代わっ…
続きを読む第710話 独り者の孤独死
財産を受け取るべき人がいない場合や、相続人がいても全員が相続放棄をしたとき、故人の財産は「相続人不存在」として法人化され、独立した人格を持つようになります。これにより第三者が勝手に処分等をすることは出来なくなります。 そ…
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