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 インボイス制度の導入は、平成28年度税制改正で決定されました。
 平成28年度税制改正大綱には、「消費税の軽減税率制度を導入する。あわせて、複数税率制度に対応した仕入税額控除の方式として、適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)を導入する。それまでの間については、現行の請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、区分経理に対応するための措置を講ずる」とあります。
 軽減税率制度とは、消費税の標準税率が10%に引き上げられることを前提として、「酒類・外食を除く飲食料品」及び「週2回以上発行される新聞の定期購読料」について税率を8%とする制度です。
 消費税は、事業者が預かった消費税額から負担した消費税額を差し引いて納税します。この計算上、負担した消費税額を差し引くことを仕入税額控除といいます。つまり、複数税率となった場合に、より適正に仕入税額控除額を計算できるようにするため、インボイス制度の導入が決定されたのです。
 なお、平成28年6月1日、安倍晋三内閣総理大臣が消費税率の10%への引上げ及び軽減税率制度の導入時期の延期を表明し、同2日に閣議決定されました。具体的には、平成31年10月1日からの導入となります。

 インボイス制度という名称は、適格請求書等保存方式の俗称で、適格請求書等の保存を仕入税額控除の要件とする制度です。
 現行制度は、請求書等保存方式を採用しています。これは、以下の事項が記載された帳簿及び請求書等(領収書、納品書、レシートを含む。以下同じ)の保存を仕入税額控除の要件とする制度です。

発行者及び受領者の氏名又は名称

取引の年月日、内容、対価の額(税込)

 一方、インボイス方式では新たに適格請求書発行事業者登録制度が創設され、適格請求書発行事業者(税務署長に申請して登録を受けた課税事業者)から交付を受けた「適格請求書」又は「適格簡易請求書」の保存が仕入税額控除の要件となります。
 また適格請求書には、現行制度での請求書等への記載事項に加え、以下の事項の記載が必要になります(図1参照)。

登録番号

税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分した合計額及び適用税率

消費税額等

 つまり、現行より仕入税額控除の要件が厳格になるということです。なお、帳簿への記載事項は、後述の区分記載請求書等保存方式と同様です。

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インボイス方式の適用時期は平成35年10月1日からで、適格請求書発行事業者の登録申請は平成33年10月1日から受付が開始されます。
 また、消費税率10%への引上げと同時に、インボイス方式が適用されるまでの間、区分記載請求書等保存方式が措置されることとなります。
 区分記載請求書等保存方式では、まだ適格請求書発行事業者登録制度は導入されませんので、請求書等に登録番号の記載は求められませんが、複数税率に対応するため、現行制度での帳簿及び請求書等への記載事項に加えて、以下の事項の記載が必要になります(図2参照)。

軽減税率の対象品目である旨

税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)

 

 ただし、請求書等の発行事業者の体制整備を考慮し、これらの事項については、請求書等の交付を受けた事業者による追記でも可としています。

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文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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