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 土地の相続財産としての価値は、国税庁が毎年7月に発表する「相続税路線価」によって算定されます。路線価は毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路に面した土地を評価するものなので、つまり土地の相続税評価額は、死亡した年の元旦の値段によって決められます。今年の1月1日から12月31日までに発生した相続については、2021年の元旦の値段が適用されることになります。

 ここで疑問に思うのが、次の路線価が発表される前、例えば今日相続が発生すると土地の評価がどうなるのかを考えてみると、例えば一つのやり方として、国土交通省の発表する「公示地価」から路線価を〝推測〟することが考えられます。公示価格は土地取引の基準などになる土地の値段で、毎年3月に公表されるため、路線価より約4ヶ月早く地殻変動の動向を把握することができます。たとえ2月に相続が発生したとしても公示地価の前年からの変動率を前年分の路線価に掛けることで、おおよその相続税路線価を割り出せば、とりあえずの遺産分割協議をまとめることができます。

 しかし、この概算評価はあくまでも暫定的なもので、今年発生した相続には今年分の路線価を適用するので、7月になって正確な路線価が発表されれば、それに合わせて遺産分割協議書の内容を修正し、申告も今年の路線価を使って行わなければなりません。

 ちなみに年をまたいでの路線価の切り替わりを巡っては、大晦日のうちに亡くなったのか新年に亡くなったかで、相続税に大きな差が出るケースも考えられます。過去には、元旦の朝にお風呂で亡くなっているところを発見された女性の相続について、「故人は紅白歌合戦を見た後に除夜の鐘を聞いてから入浴する習慣があった」と主張して国税と争った遺族もいました。

 今年は特に去年の春以降、新型コロナウイルスの大流行によって地価にも顕著な影響が出ています。何らかの負担軽減措置が設けられるとの予想もありましたが、国税庁は調整を行わないことを決定しております。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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