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 障害者控除の額が、障害者本人の相続税額より多くて全額を引ききれないのであれば、その全額を障害者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

 相続税法上の障害者控除とは、相続や遺贈で財産を取得した法定相続人が85歳未満の障害者であるときに、相続税の額から一定額を差し引ける制度です。控除できる額は、障害者が満85歳になるまでの年数に10万円をかけた金額です。障害が重い特別障害者の場合は、10万円が20万円に引き上げられます。年計算については、1年未満の期間は切り上げ、1年として計算します。

 障害者控除は、申告しなくても適用できますので、障害者控除を適用すれば相続税額がゼロになる人は、相続税の申告をする必要がありません。

(注) 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち生計を一にする者をいいます。なお、その障害者が今回の相続以前の相続においても障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

 

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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