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 税務当局に対して各方面から批判の声が寄せられることは往々にしてありますが、ネットでも批判の声が非常に大きかった事例を紹介しましょう。

 「若者のアルコール離れ」を解決するための酒販売の発展・振興を考えるビジネスコンテストを国税庁が開催するというものです。
 税務当局は「酒類業の健全な発展」ということも組織の目的としていますので、一見するとこの企画を実施する合理性はありそうですが、誰の目から見ても明らかなのが、税務当局のホンネは酒税の税収を増やすことにあります。
実際、国税が酒類業の健全な発展を組織の目的にしているのは、酒税が明治の時代などは大きな財源であったことによります。このような経緯を考えれば、国税庁の職員は複雑すぎる酒税法を簡素化する努力をするとか、ほとんど勉強しない酒税法をはじめとする各種税法をしっかり勉強したりするなどして、酒税の適正公平な課税を行うよう尽力するべきであり、そのような態度こそまさに国税庁の目的である酒類業の健全な発展に資することになります。

 近年の傾向として、飲酒のし過ぎは健康によくないといった指摘が増えています。そうしたものを行政が奨励すること自体、本当はあってはいけない話です。加えてコロナ感染者対策の観点からも、密を招く飲酒の奨励には問題が残ります。社会常識から外れてしまう飲酒推進イベントの愚行を、国税庁はどのように捉えているのでしょうか。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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