第1091話　ペット

　長年にわたり一緒に暮らしていれば、ペットは家族同様に扱われ、中には自分の死後に財産を残しておきたいと考える人がいても不思議ではありません。しかし今の民法では。あくまでもペットは「物」として扱われ、相続や遺贈を受けることができる相続人には該当しません。

　つまりペットに財産を相続させるような遺言を作成していたとしても、その遺言は法律上無効となります。

　ではどうしたらいいのか？　どうしてもペットに財産を遺してあげたいのなら、「遺産信託」を利用して遺産を信託管理人の管理下に置き、ペットのために遺産を使ってもらえるように設定する方法が考えられます。相続人に「遺産を受け取るとともに、ペットの面倒を見なければならない」という遺言を残しておく「負担付き遺贈」に比べても「ペットに財産を遺す」という希望に近い仕組みといえます。