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 土地に余裕のある地方では、親の持つ広大な土地の一部に息子らが家を新築して暮らすというケースは珍しくありません。こうしたケースで、土地の名義も息子に変更したとします。しかし後になって「土地を譲ると贈与税が高くつく」と知人に言われたため、贈与税を申告前に名義を元に戻しました。

 これに対して税務署は「一度でも変更したのだから贈与税は当然納めてもらいますよ。再び戻しているのだから2回分ですね」と課税をするのでしょうか?

 本来であれば、対価を受け渡さずに財産の名義を変更したのであっても、新たな名義人が元の所有者から財産を贈与で受け取ったものと税務署に推定されれば贈与税が課税されます。ただ財産の名義が変更されても、その手続きが双方の贈与の意思に基づくものではなく、やむを得ない理由や錯誤に基づいて行われたものであれば、例外規定としてその受け渡しが贈与税の対象とはなりません。

 つまり贈与税の申告前に不動産の所有権登記を元の名義人に戻すことで、税務上は贈与がなかったものとされます。ただ形式的な名義変更であっても原則として贈与税が課税されますので、安易な名義変更はもちろん、名義借りなどもしない方が賢明です。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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