24262575_m

 相続税の計算上、債務として差し引けるのは国税当局が確実な債務と認められるものに限られます。その証拠としては銀行の残高証明書などが確実ですが、単なるメモ書きであっても認められますので忘れずに申告してください。

 相続税の債務の例としては、住宅取得に伴う借入金や未払金などが挙げられます。また被相続人が不動産の賃貸業を営んでいれば、賃借人から預かった保証金や敷金も債務控除の対象となります。さらに被相続人が納めるべき税金があれば、それも対象となります。

 ほかにも、子が父親に金銭を貸し付けていて、返済が完了することなく父親が他界してしまったケースでは、金銭消費の貸借契約が締結され、その契約に基づいて確実に返済されているなどの前提により、相続人として借入金を承継した子は、相続税の債務控除の対象とすることができます。

 ただし、連帯保証債務については、債務控除の対象となるのは、相続が発生した時点で「確実と認められること」が必要となりますので、被相続人が引き受けていた連帯保証債務を相続人が引き続き引き受けたとしても、直ちには債務控除の対象とはならず、これが認められるには、相続発生時点で、債務者が弁済できないため保証人がその債務を履行しなければならず、かつ債務者に求償しても補填を受ける見込みがないことが「客観的に認められる」という条件が付いています。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。