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 申告納税制度は、第2次世界大戦後に経済の民主化の一環として採用されました。この申告納税制度の下では、税金は「取られる」ものではなく進んで「納める」ことを主眼としています。

 そして法人税も所得税も、その他いろいろの税金が非常に高い率であるということは、すべての国民が知っているところですが、ひとたびこれを納めてしまうと、あとはケロリとして次の納税まで、その納めた税金がどう使われていようと、関心がない方が非常に多いのが実感です。

 政府のやっている事、またこれからやろうとしている事、そして都道府県のやっている事の全ては、どれ一つとっても、われわれが死に物狂いで稼いだ税金で賄われています。

 本来、税金というものはその一つ一つが直接又は間接に何らかの形で、われわれ納税者共通の利益のために還元され役立つものでなければならないはずです。特定の企業や一部の国民だけがその恩恵に浴してはならないのです。

 しかし現状はどうでしょうか?税金が一旦国や地方公共団体のフトコロに入ってしまうと納税者も政治家もそして役人までがそれをまるで政府自体の金または都道府県自体の金の如き錯覚をもってしまい、それを使うとき一部の政治家や役人たちは自分の金でも出すかのごとき態度をとり、納税者もまたそれを極めて当然のごとく考えているという間違った考え方の方々がいかに多いことか。税金を私物化している「桜を見る会」問題もその一例にすぎません。

 我が国の民主化を口先だけにとどまらず、名実ともに達成するには、私たちがまず納税義務を正しく履行するとともに政治家や役人が我々の税金をどう使っているかを常に監視し少しの誤りも許さないといった毅然とした態度を習慣づけなければなりません。

 すなわち我々の選んだ政治家が我々のために一体何をしてくれたのか、そして我々の納めた税金をどう使っているかを常に正しく知ることが当然の我々の権利であり、とりもなおさず国を発展させ、我々納税者へ共通の利益をもたらす大きな原動力となるはずです。

 税金が高いことは税務署には関係ありません。それは政治家が我々の税金を無駄に使うか有効に使うかでその価値がわかれるのです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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