2935023_m

借地や借家の賃借関係においては、かつては大家が圧倒的に優位でした。しかし1992年に施行された借地借家法では借り手に強い権利を認め、かつてのように大家の一方的な退去勧告に泣く泣く従わざるを得ないといったような事態は起こりえなくなっています。現在では借り手にはしっかりと借家権が認められ、大家といえども簡単に追い出すことはできません。転居してもらうには一般的に借り手との交渉が不可欠で、それなりの補償金が必要になることもあります。

 借地借家法は「特別法」として、民法に優先されて適用される効力の強い法律です。そこで定められた借地権は強い権限を有し、契約期日の到来に際しては契約の更新を地主に請求することができ、また契約を更新しない場合には建物の買い取りを地主に請求することもできます。

 この借家人の持つ権利は、相続後も引き継がれます。相続にあたって「契約したのは被相続人だから死去により契約は解除する」などと一方的に借主に通知してくるケースも現実にはありますが、こうした要求には法的に応じる必要は全くありません。土地の賃借に関しても同様で、借り手は「相続で賃借権を取得しました」と通知するだけで手続きは終了し、権利の継承に関して大家の許可は一切必要ありません。

 なお相続税申告にあたっての借地権の評価は、その土地の更地での金額に借地権割合をかけて計算します。この借地権割合は、国税庁のホームページで公開されていて、土地に路線価が定められていれば「財産評価基準書」の路線価図に、定められていなければ評価倍率表に記載されている数字を利用します。

 これらの借地権とは異なり、契約期間の満了をもって更新せずに借地権が消滅する「定期借地権」もあります。こちらの相続財産としての評価にあたっては、地権者の経済的利益、宅地の取引価額、相続発生時の定期借地権の残存年数に応じた複利年金現価率などを使って計算する必要があり、かなりややこしくなります。特徴としては、期間の定めのない借地権に比べてかなり低い評価額となります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。