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相続税の財産評価基本通達に従って評価しても、著しく不適当な評価となる場合、税務当局は総則6項に基づき、合理的と認められる別の方法で評価できるとされています。この6項に基づく課税として、最近、借金をして高額の不動産を購入した会社の株価が問題になった事例があります。

具体的には、9億円の借金をして、18億円の不動産を買った会社の評価です。この場合、不動産評価は相続税の計算上非常に低くなりますので、評価通達に基づけば、この会社の株価は0円となる状況でした。このため、納税者は、贈与税の申告をしなかったわけですが、税務当局は6項を適用し、この会社の不動産を鑑定評価の14億円とするべきで、株価ありと指導しました。

納税者は、仕方なく指導に基づいて期限後申告をしたのですが、その際不動産の評価を14億円としたうえで、評価通達の原則に従った、「純資産価額方式」と「類似業種比準価額方式」を併用した「折衷方式」で株価算定を行いました。しかるに税務当局は、純資産価額方式のみで評価すべきと別途課税をした模様です。

通常は折衷方式で評価することとされていますので、納税者の計算には何ら不当性はないのですが、審判所は、税務当局の処分を合法と判断しました。その理由として、本件のような会社は上場会社には存続しないから、というものでした。本件の会社は上記の不動産しか保有しておらず、その売上についてもこの不動産から生じる賃料だけという特殊な会社でした。このような特殊な形態の上場企業は存在しないため、上場企業の株価を比準して評価する必要性がなく、となると類似業種比準価額方式を併用する折衷方式は妥当ではないという判断です。

しかし、6項が適用されない通常の株価評価では、評価会社の特殊性を考慮することなく、業種が一致していれば、上場企業の株価を準用する類似業種比準方式を活用した併用方式で評価しています。となると、類似した上場会社がないから使えないといった審判所の判断は到底不平等で納得できません。仮にこのような判断をするのであれば、現状の併用方式が間違った評価方式ということになりますので、審判所は6項に基づく税務当局の課税を合法と判断するだけではなく、それと同時に税務当局に対して、6項を使うような妥当ではない評価通達を即刻改正するよう指示すべきであると考えます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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