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 経済産業省が注目しているのが韓国です。

 韓国はクレジットカード社会です。一般的に4~5枚のクレジットカードを持ち、100円程度の支払いでもクレジットカードを使います。現金を持ち歩かない人も多いくらいです。
 なぜ、ここまでクレジットカードが普及したのでしょうか?注目すべきは年末調整の「クレジットカード控除」です。

 そもそも、韓国は現金社会でした。クレジットカードが普及し始めたのは、1998年のIMF危機以降なので、20年に満たない期間でここまで普及しました。
 一般的に韓国人は日本人に比べて消費意欲が旺盛なため、手許に現金がなくても買い物のできるクレジットカードが普及する素地はあったのかもしれません。しかし、政府主導でクレジットカードの普及活動を行ったことは無視できるものではありません。キーワードは脱税防止です。
  居酒屋やナイトクラブをイメージしてみてください。現金で支払えば、お店は売上に計上しないことで簡単に脱税できてしまうことが想像出来ると思います。ここでいう脱税は、所得税又は法人税だけでなく、付加価値税(日本の消費税)も含まれます。 
 このような脱税を防止し、政府が把握できないお金の流れをなくそうとして生まれた政策が、クレジットカードの普及です。普及させるためには、それなりのメリットを与えないといけないことから、クレジットカードを使えば、その分、所得控除をして所得税を減らしてあげる、という制度ができました。

毎年、年末になるとクレジットカード会社から、過去1年分の使用額の通知が郵送されます。それを年末調整時に証票として利用することになります。

年間のカード利用額の2割を控除する仕組みを打ち出したのは1999年。その後の3年間で、利用額は7倍に急増しました。

 経済産業省の幹部は、「韓国ほどドラスティックな対応は難しいが、いずれは決済比率を同等の80%まで高めたい」と語ります。

 問題は財務省のハードルをどうクリアするか。別の経済産業省幹部は「不祥事続きで解体論が出るほどサンドバック状態の今こそ好機。正攻法で説得できなくても政権のコアに多数いるウチの出身官僚が動く。」寝技を駆使して弱り切った財務省を押し切る算段です。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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