56758fb20deb87c6178570de6ea09b37_s

 永遠の旅行者とは、随分前に米国で考えられた租税回避スキームの一つで、各国で非居住者とされる期間のみ滞在することで、納税額を合法的にゼロ又は最少にするライフスタイルのことをいいます。

 日本は生活の本拠である住所の有無により非居住者の判定をしますが、米国では183日以上滞在すれば米国居住者とされます。つまり、ここでいう「非居住者とされる期間」は、日本流ではなく米国居住者の判定基準に基づいて考えだされたことになります。例えば、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏は月のうち日本で10日間、パリで10日間、そして残りの日数を別の国で過ごしていたとされます。

 ゴーン氏は、米国弁護士だったケリー氏からアドバイスを受けていたそうですので、合法的に各国での納税額を最少化するためのスキームを伝授されていたはずです。

 ゴーン氏の狙いは、最高税率が50%程度の日本とフランス両国で居住者にならずに合法的に納税額を最少にしてこれを実行することです。

 ゴーン氏の興味は、まずは多額の役員報酬を受領できるかどうか、そして受領できるとわかれば次はいかにして所得税額を最少化して手取りをより多くするかです。

 そして、そのためにゴーン氏は永遠の旅行者というライフスタイルを選択したと考えられます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。