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  第4作『新男はつらいよ』での話です。

 名古屋に出張したタコ社長は、競馬場で寅さんとばったり出くわします。寅さんは大穴馬券を買っていました。その馬の名前はワゴンタイガー。「ワゴンは車、タイガーは虎。早くいやぁ車寅次郎じゃねえか」ということです。このレースだけで18万円も当て、結局この1日のレースで100万円も当ててしまいます。

 寅さんは、ここで脱税をしている可能性があります。

 というのは、一定の金額以上の当たり馬券には、実は税金がかかるんです。宝くじの当選金には法律で税金がかからないことになっていますが、馬券にはそういう法律はありません。

払戻金は一時所得という所得区分の扱いとなり、以下の計算式で一時所得の金額を計算します。

 

一時所得 = (払戻金-購入額)-50万円

 

寅さんの場合、当たり馬券の購入費が10万円だとすると、(100-10)-50 = 40万円 が一時所得として加算されます。

 

一時所得は総合課税方式(各種の所得を合算した額に課税する制度)をとります。

よって、他の所得と合算して納税額が計算されます。 

なお、一時所得の課税対象は1/2となるため、上記例ですと、20万円が課税対象となり他の所得と合算されます。

 寅さんは、テキヤをして生計を立てていますので、税務上は「自営業者」扱いになります。つまり、事業所得と一時所得が合算された金額が所得控除の額を上回った時に、確定申告をして納税しなければならなくなります。

 もっとも控除額が50万円あるので、年間の当たり馬券の総額が50万円を超えない人は、元々申告不要となる扱いです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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