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 家屋の評価は築年数と共に下がっていくのに我が家の固定資産税評価額は前回の評価替えでも据え置きだった。もしかして近年多発している固定資産税の課税ミスでは…。そう考えてもすぐ結論を出すのはちょっと待ってください。

 不動産に係る固定資産税の内、家屋の評価額は「再建築価格法」という手法によって計算されます。これは全く同じ家屋を新築したとして必要になる建築費を基に、築年数による価値の減少などを補正値として掛け合わせて算出します。であれば、家屋の評価額は建てた時が最も高く、年数の経過に伴いどんどん安くなっていくように思えます。土地ならば買った後に値上がりすることはあるでしょうが、家に関してはそんなことはあり得ませんので、固定資産税の負担についても「年ごとに少しずつ下がっていく」と考えがちです。

 しかし建築資材の相場は一定ではありません。建築価格が安かった時期に家が建築され、その後資材の相場が上がれば、家屋の評価額が前年よりも上がる可能性は十分にあり得ます。固定資産税の評価替えは3年ごとに行われますので、評価替えの年に偶然資材が高騰していれば、評価額は評価替え前より高くなります。

 では固定資産税が建築時より上がってしまうこともあるのかといえば、その心配は無用です。家屋については、評価替えによって価格が上がってしまう時は評価額を据え置くというルールになっています。つまり税負担が減らないということはあっても、上がるということはありません。

 なお家屋の評価額は、どれだけ築年数が経過しても、最低でも評価額の20%は残るようになっています。減価償却の耐用年数が経過した後でも、評価額は20%で下げ止まり、固定資産税がなくなるということはあり得ないのです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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