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 去年の12月6日、6年間という長い旅を経てJAXAの宇宙探査機はやぶさ2が地球に帰ってきました。遠く離れた小惑星「リュウグウ」から持ち帰った砂などのサンプルを収めたカプセルが、大気圏突入を経てオーストラリア南部のウーメラ砂漠へ軟着陸し、その後回収されて8日に日本に到着しております。

 地理的要因などからオーストラリアに落ちたはやぶさ2の〝お土産〟ですが、たとえ大気圏経由であろうとも、港や空港以外を経てある国内に持ち込まれたものは、厳密にはすべて「輸入品」の扱いとなります。そして輸入品には、関税がかかることになります。

 10年前に同じウーメラ砂漠に落ちた初代はやぶさも、「着陸は輸入にあたる」として許可が必要でした。関税については前例がないため、「探査機としてはすでに日本国内で減価償却済みのため資産価値は1円」、サンプルについても「1グラム以下と想定されるため、隕石の一般的市場価値から照らして1円」として、実際には関税を課されることはありませんでした。

 その5年後、日豪間で経済連携協定が結ばれたことで、現在では「航空機及び宇宙飛行体並びにこれらの部分品」については関税がかからないとされました。よって今回のサンプルには関税が課されることはなさそうです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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