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基本的には住宅ローンの返済中に家を賃貸に出すことは出来ません。最初から賃貸を目的に家を購入するには賃貸住宅向けのローンを組むのが通常です。一般の住宅ローンを組んだ銀行に内緒で賃貸しようものなら、そのことがバレた時にはローン残高の一括返済を求められますので注意してください。

では住宅ローンの返済中に家を賃貸に出す方法がないのでしょうか?実はあります。

一つは賃貸住宅向けローンに切り替えることです。そしてもう一つは、転勤などで家に住み続けることが不可能となったときで、銀行との交渉次第ではローン返済中であっても家を賃貸に出すことができる場合があります。

ローン返済中に家を賃貸に出すときの注意点は主に3つあります。

まずは基本的に通常の住宅ローンよりも、賃貸住宅向けローンの金利の方が高くなることです。もしも今の家が気に入らないという理由で賃貸にするとなれば、場合によっては金利と返済額が増えて賃貸収入以上のリスクを背負う場合も考えられます。

次にローン切り替えには手数料が発生することです。また切り替えでは印紙税や抵当権の設定費用が発生する場合もあります。

そして最も重要なことが、賃貸に出すことで今まで受けてきた住宅ローンの控除が受けられなくなることです。住宅ローンを組んでから10年(特例の場合は13年)は、住宅ローンの控除を受けることで節税対策になりますが、賃貸に出すとこの恩恵を受けられません。

ただし、住宅ローンの控除は賃貸を解約・解除して再入居すると再び受けられるようになります。例えば住宅ローンの途中で転居して家を賃貸にして9年目と10年目で再入居すれば、9年目と10年目は再び控除を受けられるようになります。

もちろん、住宅ローンの控除が受けられる期限が過ぎてから再入居しても控除の対象にはなりません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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