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 家族が亡くなり葬儀を行う際に、亡くなられた方の住居と故郷とが遠く離れていた場合、葬儀を最後に住んでいた住居と遠方の故郷とで2回にわけてとり行われるケースもたまにはあります。このとき、両方の葬式の費用を相続財産の額から控除できるかが問題となります。

 結論から言えば、僧侶の読経や参列者の焼香などの様式を整えた告別式の費用は、何度行っても相続税法上の葬式費用にでき、相続財産の額から控除できます。

 葬式は、宗教や地域的慣習などに応じて様式が異なりますので、どの費用が葬式費用にあたるのかという判定は難しいのが実情です。税務署の判断基準を示した相続税基本通達では、葬式費用として控除する金額について

 

①葬式や葬送の際に必要な埋葬、火葬、納骨、遺体・遺骨の回送などの費用

②葬式の際に配った金品で、被相続人の職業や財産などの事情に照らして相当程度と認められる費用

③葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの

④死体の捜索や死体・遺骨の運搬に必要な費用

 

とされています。これらに該当するのであれば、何度葬儀を行ったとしても、すべての費用を葬式費用として相続財産の額から控除できます。

 ただし初七日や四十九日、一周忌などの法事は、葬式とは異なる意味合いを持つ儀式であることから、葬式費用にあたりません。

 

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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