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 年金は、2カ月に一度、偶数月の15日に振り込まれますが、死亡した月分までが支給されると定められているため、仮に9月1日に亡くなれば、8月分と9月分の2カ月分が10月15日に受け取れます。10月1日に死亡したのであれば、10月分を12月15日に1カ月分を受け取ることができます。ただし自動的に入金されるのではなく、所轄の年金事務所で必ず請求の手続きが必要となります。

 未支給の給付は、国民年金、厚生年金、労災保険、雇用保険であり、特に受給を始めて間もなくの死亡であれば、未支給分は相当の額に上るため、請求忘れのないようにしてください。未支給給付を請求できるのは、受給者と生計を一にしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、国民年金と厚生年金はこれに3親等以内の親族も加わります。なお健康保険法の未支給分は民法の規定に従い、相続人が受け取れることになっています。

 ちなみに遺族が未支給の公的年金を受け取った場合、相続税はかかりません。 これは、「遺族は公的年金の未支給分を『自己の固有財産』として請求している」という最高裁判決によるものです。 言い換えれば、未支給年金は受け取った遺族の所得となります。 従って、遺族の一時所得となり所得税の対象となりますが、相続税はかかりません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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