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 暗号資産を持ったまま相続が発生すると、とんでもない税負担になります。

一つの例を考えてみましょう。

 

親ひとり・子ひとりの家族
・親はADAをプレセールで300万円(@0.2円・1,500万ADA)購入
・親は去年死亡、その際のADAのレートは@240円
・子は納税資金を確保するために今年すべてのADAを@125円で売却

 

これについての相続税を計算します。

 

・相続時の相続財産は 1,500万ADA × @240円=36億円
・相続税額は概算で 18億8,000万円

 

納税のためには、法定通貨である円に換金しなければなりません。そして換金する際には、所得税・住民税が課されます。

 

・売却額は 1,500万ADA × @125円 = 18億7,500万円
・売却益は 18億7,500万円-(親のADAの取得原価)300万円=18億7,200万円
・所得税・住民税は概算で 10億4,000万円

 

合計29億2000万円の税負担が生じます。よく考えてみてください。この子はADAを売却して得た円の総額は「18億7,200万円」に過ぎません。ということは、納税額が10億4,800万円も不足することになります。ということは、さっさと相続放棄するしかないという結論になってしまいます。

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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