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大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツが運営する「東京お台場大江戸温泉物語」が9月5日をもって閉館しました。温泉を楽しめるテーマパークとして人気を博してきましたが、東京都と結んだ定期借地権の設定契約が今年12月に期限を迎え、再契約がかなわなかったことが閉館の理由です。 

 お台場の大江戸温泉物語は2003年に開業し、今年で18年目を迎えましたが、東京都から定期借地権契約に基づき、「建物を解体撤去し更地にしたうえで土地を返還する」ように求められました。

 借地権を定めた借地借家法は1992年に一新され、現行法になりました。旧法に比べて借り手の保護を強化する一方、新たに制度化された定期借地権では、契約満了時に貸主が確実に土地を取り戻せるよう一定の権利を認めています。

 定期借地権には大きく分けて3種類あり、大江戸温泉物語が都と結んだ「事業用定期借地権」では、原則借り手側が契約満了時に上物の建物を取り壊して更地にして土地を返還します。

 同社が「契約締結当時の借地借家法では、契約の最長期間は20年で延長が認められなかった」と明かしたように、事業用定期借地権を巡っては、立法当時の契約期間は10年以上20年以下と定められていました。しかし契約期間が過ぎても事業を継続したい借り手の声を受け、2008年に契約期間が10年以上50年未満に法改正された経緯があります。もちろん契約期間満了後の延長や新たな条件での再契約は可能ですが、大江戸温泉物語は都との交渉が不調に終わったと見られます。

 定期借地権を導入した借地借家法は1992年に施行されたため、制度開始後に上限となる20年契約を結んだ事業用定期借地権は、今後順次、期間満了を迎えます。当時と不動産事情が激変した現在では貸し手が再契約に厳しい条件を付けることも十分考えられ、大江戸温泉物語のように再契約をあきらめて事業継続を断念するケースが頻出する可能性も否定できません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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