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先日、たまたま夜7時に日本テレビ系バラエティ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』を見ていたら、2階が自宅のお店は安くてうまいという情報を得ました。

このように1階を店舗として使い、2階に自宅を構えて住んでいる中華料理屋さんは、確かに家賃が発生しませんので、値段を抑えることができるのかもしれません。このようなお店は、職住接近と呼ばれ、国税から目を付けられやすいのが現状です。特に中華料理屋などの飲食業は、事前通知なしに調査官が乗り込んできます。調査官は過去3期分の帳簿を閲覧して、その合間に商売の繁忙期や、アルバイトの雇用状況などを確認します。そして一通り帳簿を見終わると、必ず聞かれることがあります。

「上の階はご自宅のようですが、光熱費を私用と事業用に分けている割合の根拠を教えてください」

私用か事業用か、ざっくり分けている方がほとんどです。厳密な根拠と言われると答えられる人はほとんどいません。調査官にとっては突っ込み所満載といったところです。大抵の方は、自信がなくなり、当初申告より私用の割合が高くなるよう更正処分を受けてしまいます。このように職住が接近していますと、私用と業務用の節目を明確には区分できないことは多くみられます。そして当局に対して明確な根拠を示すことができず、それらが私用と認定されてしまうと加算税が付くことになります。意識的にごまかすつもりがなくても、あやふやな部分があれば調査官に言質を与えることになり、なんらかの更正を受けることになりかねません。これは光熱費に限らず、車の使用状況でも、社用車として登録しているのに社長一人が私用で使いまわしているようなケースでは更正処分の対象となります。

ただし逆に言えば、按分割合に確かな根拠があり、その合理性を説明できる資料があれば、どれだけ私用の割合が多くても業務用部分の経費計上は是認されるということです。

例えば説明のための資料としては、電話であれば通話明細、車であれば車両使用記録やETCカードの通行履歴などが該当します。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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