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 税務調査には様々な種類があり、申告漏れなどの問題を指摘される確率がくっきりと分かれます。

 例えば最近多いのが文書や電話によって税務署への来所依頼をするなどの方法によって申告を修正させる「簡易な接触」です。2022事業年度の所得税調査を見てみると、1年間で約60万件行われていて、全税務調査の9割以上を占めています。この「簡易な接触」によって何らかの問題を指摘されたのは約5割となっています。半数近くが無傷で逃れている結果となります。

 実際に調査官が現場までやってくるとなると、指摘を受ける確率はかなり上がります。現地調査のうち最も軽い、半日程度で終わる「着眼調査」でも、何らかの問題が指摘される確率は7割です。さらに本格化して終日から数日がかりになる「一般・特別調査」では、実に87%が問題を指摘されています。

 追徴税額も調査によって大きく変わります。「簡易な接触」の1件当たりの平均的な追徴税額は6万円ですが、これが「着眼調査」になると33万円になり、「一般・特別調査」になると274万円に膨れ上がります。足を運んで調査に来られた時点で4人に3人、半日以上かかるようなら10人に9人が何らかの指摘を受け、これだけの追徴課税を食らうわけです。

 なおこれらの税務調査の種類は、あくまで国税当局内部での分類であり、調査の通知で「今回は着眼調査です」などと教えてもらえるわけではありません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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