第1126話 先祖代々の家宝

私の好きなテレビ番組に、テレビ東京の放送で、『開運!何でも鑑定団』という番組があります。先祖代々の家宝といわれてきたお宝が、鑑定されると5千円であったり、またその逆に、大した価値もないと思っていたお宝が、とんでもない価値があったりと、その場にいた出演者の悲喜こもごもの態度には、興味がそそられます。今回は、価値がないと思い込んでいた家宝が、歴史的価値のあるものだったことが相続開始後わかったときについて考えます。
相続財産に含めなかった家宝が後から発見されますと、申告した相続財産に合算する形であらためて相続税額を算出して修正申告しなければなりません。もっとも相続税にも時効がありますので、財産を相続で引き継いだ場合、元々の財産所有者である被相続人が亡くなられた日の翌日から、5年10カ月が経過しますと、時効が成立し、修正申告は不要となります。原則では相続時に遡って課税されることになりますが、そこまで遡るとなると無申告加算税や延滞税が重くなりますので、個別の事案ごとに国税当局が判断し、家宝の価値が分かった時点や家宝が発見された時点を課税時期とするケースもあります。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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