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 税制とは、本来簡素であるべきですが、現在の税制は複雑極まりないものとなっています。これは、企業の在り方や商取引の形が多様化しているため、それに対応すべく税法が複雑化していることに加えて、租税措置法という本則とは異なるルールがあまりに増えすぎたことによります。法人税法だけでも、組織再編成税制やグループ法人税制、連結納税の導入によって、25年前に比べて現在の法令集はページの厚みが2倍になっています。

 世界190ヵ国のビジネスのしやすさを世界銀行が格付けした「ビジネス環境ランキング」によれば、2020年時点で日本は29位でした。しかしその内訳は、建設許可(18位)、電力事情(14位)などと比べて「納税環境」は51位と極めて低くなります。このことは、税負担そのものよりも、納税に係る様々な手間が煩雑であることを示しています。つまり日本企業はビジネスの内容以前に、税務申告に手間を取られて生産性を無駄にしているともいえます。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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