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 重加算税が賦課される「隠ぺい仮装」については、建前として「申告行為とは別の隠ぺい仮装」が必要とされています。これは、無申告加算税との区別を明確にするためです。無申告は税額の全部を隠ぺいしていると解釈できますので、理論上はあらゆる無申告に対し、重加算税が賦課されることになります。しかしこれでは、重加算税の範囲が広くなりすぎるので、「申告行為以外の隠ぺい仮装の事実」、例えば簿外預金を使って売上を除外するような事実関係が重加算税には必要とされているわけです。
 この「申告行為の隠ぺい仮装行為」の具体例として、確定申告書に添付する収支内訳書に意図的に少なく売上金額を記載して、所得税を過少申告した納税者に対する重加算税が取り消された事例があります。収支内訳書は申告書の一部なので、「申告行為の隠ぺい仮装」にしかならないとされたからです。
 すなわち、申告書の記載のみをごまかしても、建前としては重加算税の課税はありません。ただし注意したいのは、この「申告行為の隠ぺい仮装」については、税目が異なる場合には異なる考え方をする点です。
 先日、所得税について一部重加算税が取り消されたものの、消費税は重加算税の対象とされた裁決事例がありました。所得税の確定申告における収支内訳書の売上金額について、2年後の消費税の納税義務を免れるために意図的に1千万円以下になるように少なく記載して申告していたものです。この納税者は、消費税を納めないために常に売上を1千万円以下になるように操作していました。この場合、前記の理屈により、建前としては所得税については重加算税は課税されません。
 しかし、消費税に対しては異なる判断となります。消費税には独自の申告書があり、消費税の申告書ではない、所得税の申告書を使って消費税を免れていたからです。すなわち、「申告行為以外の隠ぺい仮装」を問題にする場合は、申告書と重加算税の対象になる税目が同じでなければなりません。
 所得税や法人税と消費税のミスは連動することが多いので、所得税などが重加算税の対象となる場合に消費税も重加算税の対象となると勘違いする傾向があります。しかし、税目が異なれば判断が変わる場合がありますので、しっかりと重加算税の要件を押さえておく必要があります。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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