第1253話 認知症の相続人がいる場合の遺産分割協議
高齢社会化で老々介護も珍しくない現代では、親が亡くなったときには子もすでに高齢で、なかには認知症を患っている場合も考えられます。こうした場合、遺産分割協議にはどのような問題が生じるのでしょうか。
相続人の中に認知症で判断能力がない人がいて、遺言書で財産の分け方が指定されていないケースだと、遺産の分け方は、法定相続分通りに分けるか、あるいは成年後見人を立てて遺産分割協議をするかのどちらかとなります。相続人が認知症だからといって、勝手にその推定相続人だけで遺産分割協議を進めることはできません。
成年後見人を付けるのが面倒だからと法定相続分通りに分けたりすると、小規模宅地の特例などの税負担軽減措置のメリットを最大限活用できません。また不動産は相続人全員の名義で共有となるため、判断能力がない相続人が一人でもいるとスムーズに処分できないなど不都合が生じます。
一方、成年後見人を付けたからといって、自由に遺産分割ができるわけではありません。なぜなら後見制度が被後見人の保護を目的とするものであるため、後見人を交えて遺産分割協議をするケースでは、原則として、被後見人の法定相続分を最低限確保する分け方でなくてはならず、完全に自由な遺産分割ができないからです。
このように認知症を患っている人が相続人にいると、完全に自由な遺産分割ができなくなります。財産を残す立場の人は、遺言書を作成するなど生前対策を講じる必要がでてきます。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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