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 遺産分割協議がまとまって実際にいざ分割となったとき、相続人の一人が既に無断で銀行預金を使い込んでしまっている場合には、他の相続人は使い込んだ相続人に対して「不当利得返還請求権」を行使することができます。

 この権利は他人の損失によって利益を得た者に対して、奪ったものの返還を請求するもので、時効は不当利益を得てから10年です。

 例えば使い込みをした本人が「被相続人のために使った」「被相続人から贈与を受けた」という理由で返還を拒んだとします。これに対しては、被相続人に頼まれたことを証明する「委託契約」やそれに従った使途を説明する証拠を求めればよいでしょう。それらがないということになれば、不当利得返還請求は有利に進むはずです。

 どうしても相手が返還に応じないというのであれば、弁護士に相談し、交渉による解決を図ることになります。それでもだめなら、裁判所に訴訟を提起する必要があります。訴額が140万円以下なら簡易裁判所、それを超える額であれば地方裁判所の管轄となります。

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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