第910話でも取り上げた最高裁における総則6項の適用を巡っての判決ですが、今回は下級審である東京高裁令和2年6月27日判決についてもっと掘り下げて考えてみたいと思います。  東京地裁令和元年8月27日判決は、被相続人が…

続きを読む

 相続直前の借入金による土地取得により大幅な「超過借入金債務」により、借入金と評価通達の評価額との差額を生じさせ、他の相続財産の課税価格を減殺して多額な相続税の軽減を図った事例の東京地裁平成4年3月11日判決は、この事実…

続きを読む

 相続税法は申告納税制度を採用していることから、納税者は相続又は贈与により取得した財産の時価を自ら評価し、申告・納税する必要がありますが、財産の種類は区々であり、しかも置かれた客観的状況がそれぞれ異なることから、その財産…

続きを読む

 遺産といえば預貯金をはじめ不動産、貴金属、美術品、さらにゴルフの会員権や知的財産権など多岐にわたります。そして法律上で相続の対象になるのは、いわゆる「価値のあるもの」だけではありません。カードの未決済分や買掛金、未払税…

続きを読む

 遺産分割協議がまとまって実際にいざ分割となったとき、相続人の一人が既に無断で銀行預金を使い込んでしまっている場合には、他の相続人は使い込んだ相続人に対して「不当利得返還請求権」を行使することができます。  この権利は他…

続きを読む

 遺産分割協議後に新たに出てきた相続財産の取扱いですが、当初の遺産分割協議は有効なため、原則として新たに見つかった財産についてのみ分割協議し、申告のやり直し(修正申告)をします。ただし、相続人全員の同意があれば既に申告し…

続きを読む

 相続財産には現預金から株、不動産、家財や乗り物まで様々なものがありますが、これらの財産の価値を見定めるのが、国税庁が定める「財産評価基本通達」です。この通達には、相続税や贈与税を計算する際に用いる「価値」についての算出…

続きを読む

遺産相続といえば、預貯金をはじめ、不動産、貴金属、美術品、さらにゴルフの会員権や知的財産権など多岐にわたります。そして法律上で相続の対象になるものは、いわゆる「価値のあるもの」だけではありません。カードの未決済分や買掛金…

続きを読む

 準確定申告をすると、人によっては税金が還付されることがあります。申告をした相続人が戸惑うのは「この還付された税金をどう取り扱ったらいいのか」です。還付された税金は、相続税の課税対象になるのでしょうか。 準確定申告とは、…

続きを読む

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。  民法改正によって創設された「配偶者居住権」が、今年の4月以降の相続から適用されます。今日は遺産分割に大きな影響を与えるその財産評価について考えてみ…

続きを読む

 近年、富裕層の持つ資産に対する国税当局の監視の目が急速に強まりつつあります。その背景にはインターネットの発展などにより、資産を国外に隠したり、各国の税制の違いを利用して税負担を低く抑えたりする手法が流行している事情があ…

続きを読む

 相続税の申告期限までに遺産分割が決まらないのであれば、民法で規定された法定相続分を受け取ったと仮定して申告・納付を行い、実際の受取分が決まり次第、改めて申告することになります。仮申告・納付の際に払い過ぎていた人はその分…

続きを読む

 自筆証書遺言に法的効果を持たせるための条件が1月13日に緩和されました。改正民法の一部施行によるもので、これまでは全文を自筆しなければ法的効果が認められませんでしたが、改正後は財産目録に限ってはパソコン入力でも認められ…

続きを読む

   ある地方都市に住む女性は、大規模工場に近い住宅地の敷地を相続しました。  自分が暮らす意思もないため、不動産業者を介して売りに出していますが、立地が悪く買い手が見つかりません。  数年前からは「タダでもよ…

続きを読む

ケース4 ~ 家族名義の財産を申告から除外~ 申告漏れ財産は11億円     Dさんは、自分が事業で得た収入を家族名義の口座に入金していました。また、その収入を基に家族名義で生命保険を契約しました。  これらは…

続きを読む

ケース3 ~ 現金受け取りの不動産収入を隠蔽~ 自宅の寝室に保管     国税当局はCさんが受け取った相続財産が申告よりも多いはずであると判断し、税務調査を行いました。その結果、被相続人が生前に稼いだ不動産収入…

続きを読む

ケース2 ~ 海外預金ならバレないはず~ 国外送金等調書で発覚     国税当局の相続税調査を受けたBさんは、海外資産の有無を問われ、「国内しか財産はない」と答えました。  しかし税務署は、相続時点で海外に資産…

続きを読む

 平成28年度の相続税の実地調査は12,116件で、前年度から181件(1.5%)増加しています。ここでは、特に申告漏れが多い「現金・預貯金」を隠した事例を紹介します。   ケース1 ~ 投資信託財産を無申告 …

続きを読む

 いざ遺産分割というときに相続人の1人が、既に無断で銀行預金を使い込んでしまっていた場合には、どのように対処したらよいでしょうか。 こうした場合には、他の相続人は、使い込んだ相続人に対して「不当利得返還請求権」を行使する…

続きを読む