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 Aさんは、BさんとCさんにそれぞれ100万円借金があります。Aさんの手持ちが100万円なら、BさんとCさんがこの財産から回収できるのは、順当にいけば両者とも50万円ずつになります。しかしCさんが税務当局だと話が大きく変わってきます。

 Aさんは100万円を超える税金を滞納していたとします。そうなると、税金を徴収する税務署もしくは地方自治体は、国税徴収法8条や地方税法14条に規定された「税は全ての債権に先だって徴収する」とするルールに基づき、優先的に100万円を回収することになります。つまり100万円を貸していたBさんには、一銭も入らない可能性があるということです。

 こうしたルールを踏まえると、売掛金分の支払が長期にわたって滞っている取引先が税金を滞納しそうだと感じたら、税務当局に全額を回収される前に、借金の早期回収を検討すべきでしょう。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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