第1180話 事業用宅地等
先日、相続税申告の依頼を受けたお客様から、以下の質問を受けました。
「農業を営んでいた父から、土地を相続しました。建物や構築物のない単なる資材置き場と、トラクターや農機具を収納するための建物の敷地があります。これらの土地は、小規模宅地の特例の対象となる“事業用宅地等”に該当するのでしょうか」
小規模宅地の特例の対象となる事業用宅地等は、被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で、一定の建物や構築物がある敷地を言います。そのため、建物や構築物のない、単なる資材置き場は、特例の対象となる事業用宅地等には該当しません。
一方で、トラクターや農機具を収納するための建物の敷地は、他の要件を満たす限り、特例の対象となる事業用宅地等に該当します。
ただし、建物や構築物であっても、以下のいずれかに該当するものについては、特例の対象外となります。
①温室などの建物でその敷地が耕作の用に供されているもの
②暗きょなどの構築物でその敷地が耕作・養畜等の用に供されるもの
上記に該当する土地は、建物等の敷地とはいえ、農地又は採草放牧地に該当すると判断され、小規模宅地等の特例の対象となる事業用宅地等には該当しません。ただし一定の要件を満たすのであれば「農地等の納税猶予の特例」を適用することができます。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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