23435798_m

 例えば、地域に貢献したいと、地元の資産家が町内会に集会所の土地などを遺贈するケースを考えてみましょう。受け取る側も「無償で土地がもらえるとは」と喜ぶでしょうが、残念ながらこうしたケースでは何らの税負担も免れることはできません。
 多くの町内会は、法人格を持たない「人格のない社団等」に該当します。税務上、この団体が遺贈を受けると個人への遺贈とみなされ、町内会自体に相続税が課されます。これを避けるためには、市町村の認可を得て法人格を取得する対策もありますが、大半の昔ながらの町内会は未認可のままであることが多く、そのまま遺贈を受け入れれば予期せぬ多額の相続税の納税問題に直面する事態となります。
 「寄付なのだから非課税なのでは」と思うかもしれませんが、遺贈財産に税金がかからないのは、学校や社会福祉法人など、広く一般の公益を目的にする団体に限られます。特定の地域住民のみの利益(共益)を目的とする町内会は、これに当てはまらず、法人格を持たない以上は、相続税の課税を免れることはできません。
 遺贈した財産が不動産の場合は、早期の換金ができずに町内会が納税資金の確保に苦しむことも考えられます。良かれと思った善意の寄付が、逆に町の人々に新たな問題で苦しめないようにしたいところです。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

「所長の独り言」一覧はこちら

 

免責
本記事の内容は投稿時点での税法、会計基準、会社法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、当事務所は一切責任を負いかねます。また、本記事を参考にして訴訟等行為に及んでも当事務所は一切関係がありませんので当事務所の名前等使用なさらぬようお願い申し上げます。