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米球界が大揺れに揺れています。

米大リーグは今月1日、新労使協定に向けた選手会との交渉が決裂し、ストライキがあった1995年以来、27年ぶりの開幕延期が決まりました。5年目で初の開幕投手の期待が懸かるエンゼルスの大谷翔平らは難しい調整を余儀なくされています。

例年は2月中旬にキャンプイン、下旬から開幕に向けたオープン戦が始まり、1カ月ほどかけて実戦感覚を磨きます。投打の「二刀流」の大谷は調整過程が他の選手よりも多く、当初のプランは狂って異例の3月を過ごしています。

しかしようやく大リーグは10日(日本時間11日)、ニューヨークで機構(MLB)と選手会が労使交渉を行い、新労使協定を締結することで基本合意に達しました。交渉の主要議題はボーナスプール(年俸調停権取得前の選手が活躍に応じて得る金額の総額)、年俸総額(ぜいたく税基準額)、最低保障年俸、国際ドラフトの導入などでした。開幕は4月7日(同8日)になる見込みです。機構は31日(同4月1日)の開幕延期と最初の2カード(5~7試合)の中止を発表したのに続き、交渉が難航した9日(同10日)にもさらに2カードの中止を発表し、開幕は14日(同15日)になるとみられていましたが、再延期は撤回となりました。

 波乱のスタートとなる大リーグですが、それにもめげずにますますの大谷選手の活躍を期待したいものですが、去年の年棒が3億円超と言われる大谷選手の税金事情も少し気になります。

 去年の日本記者クラブで行われた会見で「ロサンゼルスも税金が高いので、自分の稼いでいる半分よりちょっと多いぐらいは納めないといけない」と発言していた大谷選手。日本からの移住者が最も多いアメリカの中でもロサンゼルスがあるカリフォルニア州は、税金は全米でもとびきり高いと言われています。

 アメリカでは、日本の国税にあたる連邦税が所得に対して一律37%で課税されます。これに加え、州ごとに異なる住民税が課税されることになります。この住民税にあたる州税の税率は、ロサンゼルスのあるカリフォルニア州は最高の12.3%となっています。つまりロスに住んでいれば所得の49.3%が有無を言わさず持っていかれることになります。さらに、州ごとに異なる社会保険料が国と州合わせて約9~17%加算されます。当然ロスは最高率です。公的な支出が税と社会保険で67%に及びますので、大谷選手の年棒でいわば、2億円以上の公的支出が負担される計算になります。

 さらに生活していくうえでかかる税金として、日本の消費税に近い取引税がかかります。オレゴン州やモンタナ州では0%ですが、カリフォルニア州は9.55%となっています。

 

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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