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 2015年に東京都渋谷区が同性カップルに「パートナーシップ証明書」を交付したように、日本にもゲイやレズビアンなど性的マイノリティーに対する社会的な理解が進んでいます。現在では200を超える自治体が、それぞれ独自のパートナーシップ制度を作って同性カップルを支援しています。

 しかし同性結婚が法的に認められるには至っておらず、同性カップルの相続は、男女間の夫婦と同様にはいきません。法律では戸籍上の親族関係者が相続人となるため、同性カップルは遺言書を作成しなければパートナーに財産を遺すことができず、たとえ遺言書を作成しても、被相続人の父母は相続財産の1/3を請求することができます。

 相続人がいなければ、遺言書こそがパートナーに全財産を遺す手段となりますが、それも家庭裁判所に申し立てをして「特別縁故者」と認められなければならず、手続が煩雑で1年以上かかることもあります。

 そこで現実的に「養子縁組」することで財産を有効に遺す人も多くみられます。同性カップルが養子縁組を結ぶと法的な「親子」となりますので、遺言書がなくても一定の相続権が発生します。ただし養子縁組をしますと、実父母などの相続関係に影響を及ぼしますので事前の説明が必要となり、完璧な解決策とはなり得ていません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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