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母が亡くなったため、相続税手続きの準備を始めたとします。5年前に亡くなった父の相続税の申告書を見返すと、財産一覧に「電話加入権1500円」と記載されています。母が亡くなった後に実家の固定電話を使う人はいないのですが、この「電話加入権」を相続財産として評価しなければならないのか疑問が残ります。

この電話加入権とは、NTTの固定電話回線を使用するための権利のことで、NTTに固定電話の契約を申し込む際に施設設置負担金を支払うことで取得する権利をいいます。

実はこれまで相続や贈与などで取得した電話加入権は、課税時期の額ないし国税局長が定める標準価額で評価され、2020年分は全国一律で1500円でした。しかし2021年以降は、売買実例価額などを汲み取って考えることとされ、一括して評価する「家庭用財産等」に含めて差支えないこととなりました。つまり電話加入権を独立した相続財産として評価する必要は今はありません。

なお家庭用財産等は、一個または一組の価額が5万円以下で、一式5万円~30万円程度で計上するのが一般的です。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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