第1046話 自宅前に水路がある土地の評価
仙台は1601年、伊達政宗公によって、開かれた街です。
仙台の地形は、北西から東南にかけて斜めに傾いています。皆さんも、南の方から仙台市役所方面へ自転車をこぐ時、行きは大変なのに、帰りは楽だと感じた経験はありませんか?自動車に乗っていると平らに感じる仙台の市街地でも、自転車でこいでいるとわかるように、仙台は北西から南東にかけて、水が流れやすい傾きがある地形なのです。この地形を利用して、街路(道路)がつくられ、街路にそって水路(人工の川)がつくられ、生活や消防、農業のための水が確保されました。仙台城下は、沼や湿地だらけのきびしい自然条件だったにもかかわらず、土地の形を上手に考えて計画された街なのです。
古い町並みでは、今でも自宅前に水路があることも少なくありません。このような土地はどのように相続評価されるのか、考えてみましょう。
法律上、行政から占有許可を受けた橋が水路に設置されている土地は「不整形地」として評価されます。手順としては、水路を含む宅地全体の評価額をまず算出してみて、その後に水路部分の面積に応じて奥行や不整形の度合いに沿って減額計算することになります。
なお自宅と道路の間の水路がある土地の内、不整形地として計算できるのは、建築基準法上の「接道義務」を満たした土地に限られる点に注意してください。接道義務を満たすには、道路に面している橋の幅が一定以上かつ、国や地方自治体から通行路橋設置のための占有許可を受けていなければなりません。橋が架かっていないなど、この接道義務を満たしていない土地は、「無道路地」として別の計算ルールが適用されます。
水路や河川に面する土地は計算方法が特殊で、また減額要素も多くなります。不動産鑑定士などの専門家に依頼して評価額を算出した方が相続税を抑えられることも少なくありませんので、素人判断はやめた方がいいと思われます。
文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所
所長 栁沼 隆
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