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 使途不明金であっても、国税は相続財産があることを立証しなければ、相続税の課税はできないはずです。調査官がよくいう「わからないなら相続財産と見るしかないですね」という指導を受けたのならこの指導は明らかに間違いです。

 にもかかわらず、このような指導がなされるのは、使途不明の出金について相続税を課税したケースについて、国税が裁判で勝った事例があるからです。

 ただ、国税が勝った事例の多くは、被相続人が亡くなる数日前に被相続人名義の預金口座から多額の預金を引き出すようなあからさまな財産隠しが疑われるケースです。先の金塊のケースは、死ぬ直前に持ち出した実績がありませんので、国税が勝っている事例とは大きな違いがあります。

 あからさまに使途をわからなくさせているようなものが相続財産になりうるわけで、使途がわからないから相続財産になるわけではありません。

文責 仙台市で相続税に特化した税理士事務所|栁沼隆 税理士事務所

所長 栁沼  隆

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